ASAHI KASEI
[AK4571]
1. デバイス構成
1.1.
発振器・PLL・サンプリング周波数
AK4571は、12MHz用発振回路を内蔵すると共に、3つのPLLを内蔵しています。
一つは、システム用クロックで48MHzを生成します。残り2つは、それぞれ44.1kHz系列と48kHz系列のサンプリング周波数をサポート
するためのPLLです。
AK4571のCODEC用クロックは、SOFから生成されるため、この SOFに同期しています。各フレーム中にA/D変換されたデータは、次
のフレームで全てホストに転送します。ホストは、通常Adaptive Sinkデバイスとして動作するため、データを取りこぼすことはありませ
ん。一方、AK4571のD/Aコンバータのクロックは、SOF(Start of Frame)に同期しています。
サンプリング周波数は、
の 周波数で、 コンバータと コンバータの
A/D D/A
8kHz, 11.025kHz, 16kHz, 22.05kHz, 32kHz, 44.1kHz, 48kHz
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サンプリング周波数は、それぞれ独立に設定することが可能です。
また、USBデータはバースト的に転送されるため、A/D、D/A 共に、2ms間のデータを蓄えることが可能なFIFOを内蔵しています。
1.2. A/Dコンバータ・D/Aコンバータ
AK4571は、MIC用16bit 1ch A/D コンバータと、16bit 2ch D/Aコンバータを持ちます。アナログ入力回路は、24dB~-31dBまで、1dB毎
に可変可能な録音用ボリュームに加え、20dB初段ゲインアンプを内蔵しています。アナログ出力回路は、再生用マスタボリューム(0
~47dB、1dB幅)を持ちます。更に、MIC入力を、DAC出力とミキシングすることが可能です。MIC用録音ボリューム値と、MIC用再生
ボリューム値は、独立に設定することが可能です。録音/再生ボリュームは、PC上から制御することが可能です。
1.3.
バスブースト
AK4571は、アナログバスブースト回路を内蔵しており、最大20dBブーストすることが可能です。外付け抵抗とコンデンサにより、ゲイ
ンおよびカットオフ周波数を調整することが可能です。バスブーストのON/OFF制御は、PC上から制御可能です。
1.4.
SIE・オーディオ 処理回路
AK4571は、NRZI, Bit StuffingやUSB標準リクエスト処理を行うSIE(Serial Interface Engine)を内蔵しています。また、AK4571は、USB
Audio Class に準拠したリクエストの処理回路を内蔵しています。例えば、ミュートON/OFF、バスブーストON/OFF、ボリューム値の変
更、サンプリング周波数設定等が、これに該当します。従って、外部に、これらリクエストを処理するマイコンは不要です。
1.5.
AK4571
HID
は、
(
)機能をサポートしています。これにより、手元で、再生側マスタボリュームの変更、ミュート
HID Human Interface Device
ON/OFFが可能です。同時に、この 状態は、Windows上のプログラム(”Volume mixer”等)に反映されます。録音ミュートは、手元、あ
るいは、PC上でミュートすることが可能です。(だだし、Windowsでは録音のHID機能をサポートしていないため、手元でミュートした場
合、デバイスは、PC上の状態とは同期しません)
1.6.
EEPROM I/F
デバイス内に、デスクリプタ情報を内部ROMとして持つと共に、外部のEEPROM を使用することで、Vendor IDやProduct ID、ベンダー
名、プロダクト名をカスタマイズすることが 可能です。EEPROMを使用する場合は、予め、Device DescriptorおよびString Descriptor情
報をライトする必要があります。
MS0153-J-02
2003/3
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