ASAHI KASEI
[AK4571]
2. 動作説明
ホストとAK4571との 同期
2.1.
AK4571のPLLにより、USB のSOFに同期したcodec用クロックを生成します。OUT Endpoint (D/Aデータ用)は、Synchronous 型の
Endpointとして定義されます。一方、IN Endpoint(A/Dデータ用)は、Asynchronous Endpoint として定義されます。また、USBバスの
Isochronous転送は、SOF(1ms)毎、必ず一度のデータ授受は保証されているものの、その間でいつデータの授受がなされるかは、規
定されていないため、データ転送間隔は、最大約2ms の場合が考えられます。従って、最低2フレーム分のデータを格納するメモリが
必要です。
また、下図のように、サンプリング周波数が、44.1kHzの場合には、10回に1回、45サンプルデータが転送されます。
N Frame
(N+1) Frame
44 samples
(N+9) Frame
45 samples
(N+10) Frame
44 samples
44 samples
Figure 4Synchronization Scheme
AK4571は、2フレーム分A/Dデータ、D/Aデータを格納できるメモリを持っています。
録音の場合、A/Dデータを1サンプルずつ連続的に内部のFIFOに格納すると共に、格納位置を示すライトポインタをインクリメントしま
す。AK4571は、Nフレーム中にFIFOに格納した全てのA/Dデータを、(N+1)フレーム中のIN transactionでホストに転送します。これと
共に、リードポインタの値を更新します。各SOFでライトポインタの値を保存し、INトランザクションでライトポインタの値までデータを転
送することで、FIFOがオーバーフロー/アンダーフローすることなく、データを転送することが 可能です。
再生の場合、ホストは1SOF毎にD/Aデータをバースト的に転送します。このD/Aデータを過不足なく再生するため、内蔵PLLは、SOF
に同期したcodec用クロックを生成します。D/Aブロックも、1フレーム分データを格納した次のSOFから、再生を開始します。
パワーマネージメント
2.2.
USBの仕様では、消費電力に応じて、1) Low-power Bus-powered Devices (<100mA) 2) High-power Bus-powered Devices(>100mA 、
<500mA) 3) Self-powered Devices の3種類のデバイスに分類されています。
AK4571は低消費電力のため、Low-power Bus-powered Devices として構成することが可能です。従って、Bus-powered Hubにも接続
することが可能です(ちなみに、High-power Bus-powered Devices は、Bus-powered Hubに接続できません)
また、USB1.1の仕様では、SUSPEND時の消費電力に関して500uAを要求しています。この値は、D+のプルアップ抵抗1.5kWに流れ
る電流200uAを含む、システム全体の値です。
従って、USBの仕様を満足するため、AK4571は、2つの観点から設計されています。
a) デバイス単体でのサスペンド時消費電力を極力抑える
サスペンド時の消費電力を極力抑えるため、ADC、DACはもちろん、PLLを含むほとんど全ての回路をパワーダウンしています。
また、Resume信号を受信後、30ms 以内に通常動作に復帰します。また、サスペンド時、ミュート・ボリューム等の設定は、保存さ
れています。
b) サスペンド時、外部回路の消費電力を抑えるための制御信号を設ける
では、サスペンド時の消費電流が
USB
り制御する必要があります。
しか 許されていないため、ヘッドフォンアンプや、マイク等の
も
ON/OFF AK4571
によ
500uA
MS0153-J-02
2003/3
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