[AK4612]
1. グランドと電源のデカップリング
電源とグランドの取り方には十分注意して下さい。通常AVDD1, AVDD2, TVDD1, TVDD2にはシステムのア
ナログ電源を供給します。AVDD1, AVDD2, TVDD1, TVDD2が別電源で供給される場合は、電源立ち上げシ
ーケンスを考える必要はありません。VSS1とVSS2, VSS3, VSS4はアナロググランドに接続して下さい。シス
テムのグランドはアナログとディジタルで分けて配線し、PCボード上の電源に近いところで接続して下さ
い。小容量のデカップリングコンデンサはなるべく電源ピンの近くに接続して下さい。
2. 基準電圧入力
VREFH1, VREFH2 pinに入力される電圧がアナログ入出力レンジを設定します。通常VREFH1 pinはAVDD1 pin
に接続し、VSS1との間に0.1μFのセラミックコンデンサを接続します。VREFH2 pinはAVDD2 pinに接続し、
VSS2との間に0.1μFのセラミックコンデンサを接続します。VCOMはAVDD1x1/2電圧を出力しており、アナ
ログ信号のコモン電圧として使われます。このピンには高周波ノイズを除去するために2.2μF程度の電解コン
デンサと並列に0.1μFのセラミックコンデンサをVSS1との間に接続して下さい。特にセラミックコンデンサ
はピンに出来るだけ近づけて接続して下さい。VCOM pinから電流を取ってはいけません。また、ディジタル
信号、特にクロック信号は変調器へのカップリングを避けるためVREFH1, VREFH2, VCOMからできるだけ離
して下さい。
3. アナログ入力
ADC入力はシングルエンド入力、差動入力の両方に対応しており、DIE3-1 bit で選択できます。シングルエン
ド入力時は内部で9kΩ(typ)でVCOM(AVDD1x1/2)電圧にバイアスされています。入力レンジは0.65 x VREFH1
Vpp (typ)@fs=48kHzです。差動入力時は内部で13kΩ(typ)でVCOMにバイアスされています。LIN(RIN)+と
LIN(RIN)−間の入力信号範囲は、±0.65 x VREFH1 Vpp (typ)@fs=48kHzです。AK4612はVSS1からAVDD1まで
の電圧を入力することができます。出力コードのフォーマットは2’sコンプリメント(2の補数)です。DCオフ
セットは内蔵のHPFでキャンセルされます。
AK4612は128fs(@fs=48kHz)でアナログ入力をサンプリングします。ディジタルフィルタは、128fsの整数倍付
近の帯域を除く阻止域以上のノイズをすべて除去します。AK4612は128fs付近のノイズを減衰させるためにア
ンチエリアジングフィルタ(RCフィルタ)を内蔵しています。
4. アナログ出力
DAC出力はシングルエンド出力、差動出力の両方に対応しており、DOE4-1 bit で選択できます。シングルエ
ンド出力時の出力レンジはVCOM電圧を中心に0.63xVREFH2 Vpp(typ)です。差動出力時の出力レンジは
VCOM電圧を中心に±0.63 x VREFH2 Vpp (typ)です。差動出力は外部で加算されます。L(R)OUT+ とL(R)OUT-
の加算電圧はVAOUT = [L(R)OUT+]-[L(R)OUT-]です。加算ゲインが1の場合、出力レンジは4.16Vpp
(typ@AVDD2=3.3V)です。外部加算回路のバイアス電圧は外部で供給されます。入力コードのフォーマット
は2’sコンプリメント(2の補数)で、7FFFFFH(@24bit)に対しては正のフルスケール、800000H(@24bit)に対して
は負のフルスケール、000000H(@24bit)での理想値はVCOM電圧が出力されます。ΔΣ変調器が発生する帯域
外ノイズ(シェーピングノイズ)はシングルエンド出力時には内蔵のスイッチトキャパシタフィルタ(SCF)と連
続フィルタ(CTF)で除去されます。差動出力時には連続フィルタが内蔵されていませんので帯域外ノイズを除
去したい場合は外部でLPFを組んでください。
本LSIのアナログ出力はVCOM電圧に対して数mV程度のオフセットを持つため通常の使用ではコンデンサで
DC成分をカットします。
MS1039-J-01
2009/06
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